リンゲルマン効果
Ringelmann effect
国民的アイドルグループ AKB48のグループメンバーが、200人を超えてると聞きました。わが女性制作ユニットQrious(キユリアス)も、その1/20の規模で10名を超えています。Web制作会社の規模としては大きい方の部類になってきました。今回は 責任感 というお話。
8人で綱を引いても、力は半分以下
無意識なレベルでサボってしまう。そんな現象が有り得ると思いますか?
約100年も前にフランスの農学者 マクシミリアン・リンゲルマン(仏:Maximilien Ringelmann、1861年12月10日 – 1931年5月2日)が、運動会でおなじみの綱引きによる社会心理学の実験を行いました。
1人で綱引きをした時の力の入り具合を100%とすると、2人では一人当たり93%に減少。3人では85%…そして8人になると、実に一人当たり49%にまで落ち込んだ。
参考:社会的手抜き(リンゲルマン効果)
この現象を「リンゲルマン効果」または「社会的手抜き」と言います。運動会の綱引きでは、持てる力の半分も発揮していないことになります。つまり一人一人がベストを尽くしていない状態なわけです。
組織運営において、これは由々しき事態です。ずっとそのことを懸念していました。組織が大所帯になってくると、コミュニケーションをとる人と、とらない人に分かれます。Qrious(キユリアス)の参加条件に、こんな項目があります。
コミュニケーションを大切に、レスは早く、確実に行う
Qrious(キユリアス)に限らず、特にフルリモートの組織はリアルよりも密なコミュニケーションが必要なことを、身をもって知っています。
コミュニケーションを図らない人は残念ながら一定数存在します。そういう人は黙っていてもそのうち消えていくのですが、縁があって参加してもらったわけですから、こちらから2度、3度とアクションを起こし改善を促します。しかし、しばらく放置して改善されなければ、半年後には除籍処分となります。
当然、本人も分かっていて意図的に連絡をとらない確信犯なのでしょう。ただ、もしこれが「無意識」のうちに招いている事態だとしたら、組織にとって相当怖い現象です。
人数が増えるほど、薄まる責任感
リンゲルマンは実験の結果から、こう述べています。
集団になればなるほど、「他の人が何とかしてくれるだろう」という手抜きの心理が無意識のうちに働いてしまう。つまり、人数が増えるほど責任感が分散される。
参考:社会的手抜き(リンゲルマン効果)
呼び掛けているのに誰も反応しない、という事がよくあります。組織を構成する人数が増えるほど責任感が薄まっていく感覚は、確かにあります。もちろん気付いていないわけじゃありません。気付いていないのならば、それはそれでまた別の問題です。
呼び掛けに気付いたうえで「誰かが反応するだろう」と考え、積極的に行動しないという判断を無意識にしている。それがこの実験の示す結果です。組織の人数が増えることで目が行き届かなくなるのをいいことに、責任感を都合よく薄めてしまう。結果、無意識のうちに無責任になっているのです。
だったら「私がやる!」と積極的に行動できる人をより多く集めればいいじゃないか、と言われるかもしれません。確かに、他力本願で叶う夢や目標などないし、自発的に行動を起こし、ポジティブな雰囲気が出来上がって活性化することが理想ではある。良い結果を生むためには、高い意識で取り組むことが重要だとも思います。
もちろんそういう組織を目指しています。それでもやっぱり、責任感も参加意識も勝手に薄めてしまう層は一定数できてしまいます。
そういうもんだと思って、根気強く向き合っていくしかなさそうです。もうちょっと反応しろ!もっとQrious(キユリアス)は自分のすべてだ!くらい背負って見せろ!っていうのが偽らざる本音ではあります。
ちなみに…
ちなみに、リンゲルマン効果に似た概念に「傍観者効果」があります。こちらは「誰かがやるだろう」と意識的に行動を回避する現象です。リンゲルマン効果が無意識の手抜きであるのに対し、傍観者効果は意識的な回避という点が異なります。無意識なので防ぎようがない分、リンゲルマン効果の方がより厄介かもしれませんね。
リンゲルマン効果
というお話でした。
~ 本文で参考した書籍をご紹介 ~
(参考・出典)