ダンパー数の定式化

ダンパー数の定式化 ~ 付き合う数には限りがある

ダンパー数の定式化

Stay connected with family and close friends

今やSNSの1つや2つ、やってて当たり前の時代。フォロワーの数を競い、タスクが溜まってても昼夜問わず、ついついTLを追っかけちゃう。そんな人も少なくないのではないでしょうか。今回は大切な人というお話。

TwitterもFacebookもその他のSNSについても、面倒臭いので他者との繋がりを便宜上、全てフォロワーと表現します。仕事柄、国内外問わずSNSのアカウントを数え切れないほど持ってますが、日常的に使っているのはTwitterとFacebookくらい。

やりはじめのころはフォロワーが増えると嬉しかったり、逆に減るとモヤっとしたりして、人数が多いことはいいことだ!みたいな風潮もあって、なんとなくそれに乗っかって増やす努力をしてました。

元々が緩い繋がりで成り立っているので、繋がったからと言って人間関係が豊かになるわけでもなく、特別、人数が多いことによる恩恵もなく、ただただ実のないやり取りのTLが垂れ流されるだけで暇つぶしの一つでしかななかったSNSが、ある時から劇的にその使い方や考え方が大きく変わりました。

3.11 東日本大震災。携帯の通話はもちろん、メールも繋がらない状態だったときにSNSは繋がっていました。実際に親しい人や家族の安否確認はすぐにとれました。

災害後の自粛で、一時的に仕事が減る状態がしばらく続き、予定外の時間ができたことで、同業者とリアルに逢う機会が増えました。そのリアルに導いたツールが他ならぬSNSでした。

リアルにいろんなクリエイターやエンジニアと交流した時、はじめてSNSの意義と正しい使い方を知った気がしました。

一方でフォロワーが増えてくると不要な情報も一緒にTLに流れるので、大事な情報を見逃す弊害を感じました。震災以降も余震や台風などの自然災害、交通機関の状況などの有効な話題と共に、無関係なものもTL上に入り乱れますので、フォロワーが増えすぎるのもいかがなものかなぁと感じました。

遣り取りできる人数には限界がある

実際にSNSでやり取りできる人数って、感覚的にはせいぜい100人くらいと思っているので、特にFacebookではフォロワー100人を目安に定期的に整理しています。その100人は顔と名前が一致していて、どこの誰なのかを認識できる関係で、基本的にはリアルであった人またはこれから逢う人に限定しています。

先日、あるSNSが取り上げられている記事を読んで、へぇ~似たようなことを考えている人が居るもんだなぁと驚いていると、どうやらちゃんとした理論が根拠になっていて二度びっくり。

イギリスの人類学者 ロビン・イアン・マクドナルド・ダンバー(Robin Ian MacDonald Dunbar)は、こう言ってます。

人間にとって、平均約150人(100~230人)が、それぞれと安定した関係を維持できる個体数の認知的上限である

これは『 ダンパー数の定式化 』という理論として知られていて、これを理念として取り入れているSNSが” Path ” (https://path.com/) だ。 世界に1,000万人以上とも2,000万人以上とも言われるPathは、2010年にローンチされたクローズ型のSNSで、ロビン・ダンパー氏が唱えた平均150人を根拠に、フォロー数を150人と制限しているのが特徴です。

Pathのコンセプトは、

Stay connected with family & close friends

家族や近しい友達だけで繋がろうというモノで、本当に大切だと思える人限定で繋がりたいという人にお勧めなSNS。

実際に登録してみて ??? と感じた方が殆どだろう。

まずPCからはアクションを起こせない。設定はできるがスマホに最適化されたSNSなので、Pathは生活密着型の持ち歩きSNSと言える。

さらにスマホで開いてもどう使うかわからない。一人で黙々と書きこんだり写真をアップしたりするか、近しい人を招待してお互いの日常を共有するというシンプルなものなので、他のSNSと比較すると拍子抜けしちゃうくらいあっさりとしている。

PathのCEO デイブ・モリン氏は元Facebookの従業員でした。不特定多数のSNSに疲れちゃったんだろうか。実際、乗り換えるユーザーは女性が多く、人間関係が煩わしくなった人が多いとか。みなさんはSNSをどういう用途で、どのような繋がりを求めていますか。

僕は人の名前と顔を覚えるのが苦手で、まぁ100人前後なら思い出せる範疇か…いや50人でも怪しい。3回以上逢ってないと1か月も覚えていられるかどうか自信がないし、イベントで通り過ぎた人などはほとんど覚えていない。

今後もFacebookでは100人前後のコミュニk-ション・ツールとして、Twitterは緩くエリアごとにコミュニケーションをとれる人だけ残して、どちらも基本的にはSNSでは終わらないリアルなつながりに繋げられるツールにしたい。

少なくともフォロワーを “One of Then” にはしたくないと思っている。

ダンパー数の定式化

というお話でした。