グリンチのクリスマス
How the Grinch Stole Christmas
そろそろ街はキラキラとイルミネーションで彩られ、マライヤキャリーやWHAM!、山下達郎など定番の歌や音楽でクリスマスムード一色に埋め尽くされ、予定がある人もない人も浮足立っちゃう時期が今年もやってきました。今回はクリスマス嫌いというお話。
世界的に有名なのに日本ではあまり馴染みがない、この時期にちなんだ絵本を今回はテーマに選びました。アメリカの絵本作家 ドクター・スース(Dr.Seuss)が1957年に発表した『 いたずらグリンチのクリスマス 』はアニメ化や実写化もされています。
主人公のグリンチには家族も友達もいない。そしてクリスマスが大嫌い。フーの村はずれの洞窟に愛犬マックスと2人で暮らし。物語ではこのグリンチが何者なのかは描かれていない。幼いころから一人ぼっちですっかりひねくれ者になってしまったグリンチ。人の不幸が大好きで意地悪ばかりしている。他人とは思えないなぁ。
二人の思惑
クリスマスが大嫌いで意地悪が大好きなグリンチは、クリスマスを滅茶苦茶にしてやろうとクリスマスをフーの村から奪う計画を画策します。
一方、フーの村のお転婆でお母さん思いの女の子、シンディ・ルーはサンタさんに願いを直接聞いてもらうために、クリスマスにサンタさんを捕まえる計画を画策します。
ここから先は少しネタバレ。
グリンチはサンタに扮装して家に忍び込みプレゼントも飾りも根こそぎ奪い、フーの村からクリスマスの雰囲気ごと夜のうちに消し去ってしまう。最後はシンディー・ルーの家。サンタを捕まえて願いを聞いてもらうために待ち構えている。
そこでグリンチはシンディー・ルーの意外なお願いを知る。
この後どうなるかは絵本かDVDをご覧いただくとして、物語を通じてグリンチが孤独で寂しかったことが見て取れます。クリスマスが嫌いだったわけじゃなくて、楽しそうに幸せそうにしている姿を見るのが、その輪の中に自分がいないことが、幼少の頃、孤児院で育ったころのトラウマを呼び起こし、グリンチはいたたまれない気持ちになるんだろうと思います。
浮足立って騒ぐのも結構だけど、そういうのが苦手だったり嫌いだったり楽しめない人もいるので、聖夜には他者への思いやりも持ちたいものですね。
それにしてもグリンチが創る仕掛けやアイデアは面白いし素晴らしい。その才能をもっとフーの村に役立てれば関係もよくなってぼっちじゃなくなるのに。
シンディー・ルーは双子の弟とお母さんの4人暮らし。シングルマザーで仕事や家事、育児でいつも大変そう。
DVD版でシンディー・ルーがサンタさんにしたお願いは、グリンチの仕掛けやアイデアで何とかしてあげてる様子がエンドロールで垣間見られます。お願いはサンタさんじゃなくグリンチが直接聞いちゃいましたからね。
グリンチのクリスマス
というお話でした。
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