御朱印

趣味と運動と実益と ~ 御朱印めぐり

御朱印、はじめる

Goshuin Collection

江戸下町・深川で生まれ育ち、いつもの遊び場は神社仏閣の境内や参道、歴史的建造物や庭園など、いつも傍らにお線香の香りやお経、鈴の音、お賽銭がカランコトンっと落ちる音、朱塗りの鳥居といった世界観や雰囲気が染みついている。ことさら信心深いわけでも信仰心が強いわけでもないが、 大人になった今でも、ふらっと立ち寄ってはお参りする癖がついている。

御朱印集めのきっかけ

原点回帰

馴染みの深い神社仏閣。大人になってからは初詣や酉の市以外、足を運ぶ機会がめっきり減りました。親父が馬鹿が付くほどの祭り好きで、あちこちの神輿を担ぎに出掛けるのを間近に見て、神事や祭事に全く興味が持てなくなり、どんどん足が遠のいていました。

社会人になってから、大きな商談や責任ある立場で仕事を任された時、事前に神頼みする機会が増えました。そうすることで、なんとなく落ち着き、すべてが上手くいくように感じていました。

フリーランスになった。起業した。東京から出て、遠く愛媛に移住をした。歳も取った。いろいろと環境が変わると、自然と足が遠のいていた神社仏閣に、また足を運ぶ機会が増えました。原点回帰というべきか、初心に返ってと言うべきか、兎に角、行った先々で空き時間が出来たら、立ち寄るようになっていました。

地方遠征ルーティーン

愛媛では離島に移住しました。都会の雑踏や騒音から距離を置くために。しかしなぜか、移住したとたんにいろんな地域からお呼びが掛かるようになり、泊りがけで知らない土地への遠征が増えた。

幼少のころら、爺ちゃん婆ちゃんや両親、近所のおっちゃんおばちゃんたちに、ことあるごとにこんなことを言われて育ちました。その土地土地には、その地域を守る「土地神様」や家を守る「氏神様」が居るから、初めての場所に行くときは、神社仏閣に必ず足を運んで挨拶なさいと。

これは家にわる決め事みたいなもので、一つの習慣として言い付けを守ったに過ぎないが、そうすることが気持ちが落ち着くので、一つのルーティーンとして守っている。

大人の趣味

幸か不幸か、好きなことを仕事にしてしまったので、長いこと無趣味になっていました。飽きっぽく面倒臭がりな性格なので、アクティブでもないので、一時的にハマっても長続きしないことが多いんですよね。

折角、自然豊かで海に囲まれた環境に移住したんですけど、趣味らしい趣味も持たずに残念な生活をしていました。性格に合っていて、道具を使わず、遣りたい時にすぐできるような、そんな趣味はないものか…と考えていました。

ノンストレスからの解放感、日頃は座り仕事の出不精、引き籠りがちの不摂生三昧なので、動きが鈍くなったり、シンドクなったり、いろいろとガタが来るまえに、運動不足を解消しなきゃっていう自覚と危機感が芽生え始めたので、まずは、近所を散歩する習慣にしようというところからはじめることにしました。願わくは、ウォーキングが趣味になるようにと。

そんな時、SNSで歴女のポストをたまたま見つけて、神社仏閣や歴史的建造物を徘徊するブログを見かけて、「これだ!」ってなりました。神社仏閣にはよく行くし、なんなら遠征が増えて、その機会も増えたし、いろんな地域で城や古い街並みなど、いろんなところに足を運ぶ機会も増えたので、「これはいいかも!」なりました。

しかも、収集癖が元々あるので、御朱印や御城印を集めるゲーム制もありながら、コンプリート感というかトロフィー感が出るので、モチベも上がりそう。

他の趣味に比べたら、お金は掛からないし、行きたい時に行けるし、道具を必要としないのもいいですね。そのうち、遠征のついでだけじゃなく、わざわざルートを考えて歩き回ったり、記録のために写真や動画を残しておいたり、もちろんお参りに行ってるので気分的にご利益があるように感じられます。

こうして、新たな中年の趣味が出来上がりました。

思いがけず手に入れる

神社仏閣をめぐって参拝することはできるし、移住先の散歩コースにも神社はあるけど、どうやら常に誰かが常駐してるわけでもないらしい。当然、お守りも破魔矢も御朱印も売っていない。どこかで御朱印帳を手に入れなきゃなぁ…どうせなら、近所のものよりも、有名な神社や二度と足を運ばないような思い出の神社とかがいいなぁと思ってた矢先、和歌山県に遠征に行くこととなった。

徳川御三家の一つ紀州徳川家、謎の多い熊野古道など歴史好きなら胸が高鳴るスポット。そして熊野古道には熊野本宮大社がある。こうなったら熊野本宮大社から御朱印巡りを始めたい!

ということで、離島を出て新幹線と急行を乗り継ぎ、お昼前に紀伊田辺駅に到着。予定より早く紀伊田辺駅に降り立ったが、チェックインするにも早いし、お店もまだ開店準備中。仕方がないので、Google Mapを開いて周囲を散策。

すると「闘鶏神社」という割と大きな境内が徒歩圏内にあった。折角なので、土地神様にお参りしておくかってことで足を運んでみた。

弁慶像
湛増弁慶の像

武蔵坊弁慶ゆかりの地

なんの予備知識もなく、闘鶏神社をふらっと訪れ、神社の御由来を読んでみる。そこではじめて、闘鶏神社が由緒正しい神社だってことを知るのです。

源平合戦の時代、源氏方につくか、平家方につくか、紅白の鶏を闘わせて占い、源氏方についたというエピソードがご由来に書いてありました。今年はなんと創建1600年の区切りの年ということで、通常の御朱印帳とは別に、記念の御朱印帳と御朱印が発行される年でした。予期せずレア度の高い御朱印帳を手に入れ、記念すべき最初の御朱印は、この闘鶏神社となりました。

御朱印帳
闘鶏神社1600年記念御朱印帳

御朱印とは

御朱印は、神社仏閣の参拝者に押される印章、印影で、押印の他に参拝日・寺社名・御祭神・御本尊の名前などを墨書きしてあるものが一般的。御朱印を拝受する帳面を御朱印帳と言います。
また、御朱印は御朱印帳に直に書かれるものと、書き置きとして渡されるものがあります。書き置きはそのまま糊で御朱印帳に貼って構いません。

御朱印の起源は、写経を納めた(納経)際の受付印とされています。今でも写経の証としてしている寺院も珍しくありません。つまり自らが参拝した証として、御朱印を拝受するという尊い行為が前提ですので、写経が形骸化した現代に於いても、その精神は受け継がれています。

納経帖
泉岳寺納経帖

御朱印帳(納経帖)

御朱印帳(納経帖)は神社仏閣の社務所や授与所(納経所)でオリジナルを販売しているほか、ネットなどでも購入できます。概ね1,000円~3,000円程度で、手に入れることができます。高級素材とか特別に作られたものなどは、もうちょっと値が張るものもありますが、これは完全に個人の好みですので、お好きなものを手に入れればいいと思います。よく見かける御朱印のタイプとしては蛇腹式で、僕も個人的には蛇腹式をお勧めしますが、本のような和綴じのものもあります。これも好みなのでどちらでもお好きなもを探してみてください。

神社とお寺

神社(神道)とお寺(仏教)では信仰の対象が違います。この場合、御朱印(納経)帳は分けるべきか?という議論があります。いろいろと考え方はあろうと思いますし、実際に神社やお寺の方から、一緒にしていると断られるケースもあると聞きます。

僕も神社の御朱印帳とお寺の納経帳は別けています。一冊の中で神社もお寺も入っていると、後で整理がしにくいかなぁと思ったのと、信仰する対象が違うこと、それからお寺では、まだまだ写経の証として拝受することが多いためです。

もう一つ、神社よりもお寺の方が、個人的には少し敷居が高く、入りにくいという先入観もあって、圧倒的に御朱印の集まりが悪いっていう、個人的な理由もあります。みなさんもそうじゃありませんか?お寺にお世話になるっていうと、身近な人が亡くなった時以外にないですよね。なので、気安く門をくぐれないというか。

観光地で有名なお寺であれば、神社並みに入りやすいし、写経することもあまりないので、そういうところがメインになりますね。

そんな理由で僕は分けていますが、一冊にまとめてる方もいらっしゃるので、これも自由でいいと思います。

御朱印拝受の独自ルール

いろいろと細かいことを言う方もいらっしゃいます。基本的には、無作法で、無秩序に、無礼な振る舞いは許されませんが、ルールや作法、モラルを逸脱していなければ、自由でカジュアルに楽しんでいいと思っています。

僕がお参りする際に必ず守っている個人的なルールを簡単に書いておきます。

  • 撮影に関するルールを遵守して、参拝の邪魔をしない
  • 本殿・拝殿の中は移さない
  • 作法に則って参拝する
  • 参拝してから御朱印を拝受する
  • 初穂料(概ね300円か500円)とお礼を言って受け取る
  • 御朱印の売買はしない

御朱印めぐりを楽しむ

御由来を知る

神社やお寺がいつの時代に、誰によって、どういう経緯で建てられ、誰が祀られていて、どういうご利益があるのか。そんな背景を知ると、壮大なロマンを感じて、御朱印も感慨深いものになります。

また、大きな境内には、他にもいろんな神様が祀られていたり、祠があったりするので、素通りせずに立ち止まってお参りして欲しい。七福神が祀られていたり、お稲荷さんが守ってくれてたり、いろんなご利益や恩恵が思わず得られるかもしれない。

参道を味わう

古くからある神社やお寺の周囲には、門前町や仲見世として栄えてるケースが多く、中でも老舗の飲食店では一度は立ち寄って味わうのも、リアルに訪れる醍醐味の一つですよね。例えば 伊勢神宮の赤福だったり、浅草寺の仲見世通りだったり、柴又帝釈天の寅さんのお店、宮島の揚げもみじ、出雲大社のそばとか、そこに行かないと食べられないとか、限定品が合ったりします。後日話のネタにもなります。

また、参道には神の遣いとして、シカやニワトリ、池には亀などが出迎えてくれます。自分に寄ってきたりすると、特別な何かを感じることもあります。

鳥居をくぐると空気感が変わったり、パワースポットがあったりと、迷信かもしれないけど一つのアトラクションですから、乗っかるのもそれはそれで楽しいと思います。

期間限定

お祭りの時期や〇周年記念、イベントの期間中など限定的に発行される御朱印や御朱印帳、記念品がもらえたりすることもあります。カラフルで華やかなものや厳かなものなど、平時の御朱印とはまた違った風合いがあります。
個人的にはプレミア感があるものだけを収集するのは賛成しないが、平時に一度拝受していて、二度目三度目は行事の時にお礼参りに行くっていうのがお勧めです。

最期に

趣味として、御朱印を集めるためだけに全国を巡るとなると、やがて苦痛になって、今までのように飽きてしまうでしょう。気負わずに、遠征した時や時間が空いた時に、近くに神社仏閣があったら立ち寄るスタイルで続けようと思います。

また、迷惑行為やルールを逸脱する輩は、きっと相応の罰が当たるだろうし、同時に八百万の神々はそんなに小さなことで腹は立てないと思いますが、ソーシャルに情報を掲載する立場で、有効な情報の開示や注意喚起などもやっていこうと思います。誰かのお役に立てれば幸いです。

御朱印巡りをされているみなさんからの、有益な情報もお待ちしております。

ちなみに…

ちなみに、熊野水軍を源氏または平氏どちらに加勢させるかを闘鶏で占ったわけですが、結果は七戦全勝で白い鶏が勝って源氏に加勢することになったそうです。その結果、壇ノ浦の戦いで源氏を勝利に導いたとされています。

もともと熊野水軍は平氏に近いとされ、平氏に加担すると思われていましたが、闘鶏の結果に委ね源氏に加担したのはなぜだったんでしょう。もし、平氏に加担していれば、時代は今とは違っていたかもしれませんね。

僕の先祖も源氏系列の家系なので、もしかするとその昔、ご先祖さんが一緒に戦っていたかもしれないと思うと、ロマンを感じますね。

御朱印、はじめる

というお話でした。

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