誇り高き用務員

誇り高き用務員 ~ プライドとユーモア

誇り高き用務員

JFK and the Janitor

自分の仕事にプライドと誇りを持てとよく聞く。言うは易しだが、そのハードルを容易く飛び越える人物がいた。有名なエピソードなので知ってる人も多いだろうが、見事な切り返しなので知らなかった人は是非、知っといて欲しい。ズバリ、誇りというお話。

その誇り高い男はNASA(アメリカ航空宇宙局)で用務員をしていた。1962年 NASA を訪れていた当時の米大統領 ジョン・F・ケネディ(John Fitzgerald Kennedy, 1917年5月29日 – 1963年11月22日)が、その用務員にこんな問いかけをする。

“Hi, I’m Jack Kennedy. What are you doing?”

ハイ!ジャック・ケネディです、何をしているんですか?

“Well, Mr. President,” the janitor responded, “I’m helping put a man on the moon.”

大統領!私は人類を月に送るためのお手伝いをしています

有名なエピソードです。実話にしろつくられたものにしろ、よくできた話です。

これにはちょっとした政治的背景があり、ケネディ大統領が10年以内に人類を月面に到達させると宣言し、1961年からスタートさせたアポロ月面着陸計画があって、この用務員の答えに繋がっている。

何故、大統領が放棄を持っていたこの用務員にこんなことを問い掛けたのかは謎だし、うがった見方をすれば、随分と意地悪な質問だなぁと思わなくもないが、用務員の切り返しは秀逸。こういうユーモアは大好きだ。

「何をしているのか?」と問われたら、多くの人は今やってることについて答えてしまうだろう。咄嗟であれば尚更だ。にも拘らずこの返しができたということは、普段から意識的に自覚しているか、組織としての教育が行き届いているか、或いはその両方か。

以前、組織のリーダーに向いていると話した『 三人の石切り職人 』に通じるものがある。
誰が見ても掃除や雑務をしている人たちとして周りには映っているだろうし、実際そうなんだろうとは思う。ただ、目先の作業をこなしているという意識と、大きな偉業に貢献しているという意識とでは、仕事に対するモチベーションの違いは明らかだろうし、周りにもいい影響をもたらすだろう。

そういう誇りやプライド、そして本気とも冗談ともとれるユーモアを見習いたいし、こういう意識を持った組織は強いと思うわけです。

で、みなさんは何をしてるんですか?

誇り高き用務員

というお話でした。