カラーバス効果
Color bath effect
カラーバス効果とは、あることを意識し始めた途端に関連する情報が集まり出す心理効果のことです。偶然に見えるあの現象には、ちゃんと名前がついていました。プロデューサーやディレクターが情報を仕入れ続けられる理由も、実はここにあります。今回はアンテナの張り方というお話。
カラーバス効果とは
カラーバス(Color bath)を直訳すると、「色を纏う」という意味です。その色を纏うことで、同じカラーにカテゴライズされた情報を得やすくなる。それがカラーバス効果の本質です。
具体的には、知りたいと思う事柄を意識すると情報に敏感になり、これまで聞き流していた同じ情報でも際立って感知しやすくなる効果を指します。一見するとタイミングのいい偶然のようですが、偶然ではありません。カメラに例えるなら、ピントが合ってフォーカスも自在な状態になったということです。
プロデューサーやディレクターは、クライアントと直接接しながらICTやクリエイティブ面でのアドバイスを求められます。そのため、常に最新の技術やトレンドを「知っている」状態に置く必要があります。カラーバス効果はその一助となる、意識の使い方なのです。
好奇心を研ぎ澄ます
カラーバス効果を意識的に活用するには、まず好奇心を向ける方向を決めることが大切です。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、興味があるものに対しては自然と貪欲になり、情報が積み重なっていきます。
ただし、何でも闇雲にストックしようとすると、いくら引き出しを用意しても足りなくなります。散漫になって、一つひとつの情報が薄くなってしまうのです。そのため、興味を持つ対象を絞り込み、好奇心を向ける方角を経験や実績から感覚的に判断できるよう鍛えていく必要があります。
カラーバス効果が発動するには、意識の方向が定まっていることが前提です。目的を持たず漠然と情報を眺めていても、必要なものは素通りしていきます。まず「何を知りたいか」を明確にすることが、情報収集の起点になります。いという事になるだろうし、意識しなくてもやってるなぁと感じた人は向いているという事になるだろう。
アンテナの張り方
カラーバス効果を活かしたアンテナの張り方には、大きく2通りあります。
1つ目は、日常的にさまざまな情報を入手する「常設アンテナ型」です。相談があった時すぐに引き出しから取り出せるため、話が進みやすくスタートダッシュが可能です。一方で大きなストック棚が必要で、個人のキャパシティに依るところが大きく、広く浅い情報になりがちです。
2つ目は、必要な時だけ情報を入手する「折り畳みアンテナ型」です。ある分野については深く確かな情報を持っているため、クライアントのお題にマッチすれば即効性があります。ただし、マッチしなければその都度情報収集が必要で、立ち上げ時にまとまった時間を確保する必要があります。
前者はコンサル的、後者は職人的と言えるかもしれません。どちらが良い悪いではなく、自分に合ったスタンスを選ぶことが大切です。
私はマメでもなく飽きっぽいため、全ての作業が短期集中だ。必要な時に必要な情報を必要な分だけ集めた方が効率よく進められる。情報過多になると、かえって頭に入ってこなくなるからである。
いずれにしても、クライアントの要望をしっかり把握し、関心をそちらへ向けてアンテナを立てておけば、後はカラーバス効果が助けてくれます。自分のカラーを纏うことが、情報や知識の蓄積に大いに役立つのです。
ちなみに…
ちなみに、カラーバス効果が起こる背景には「RAS(網様体賦活系)」と呼ばれる脳の仕組みが関係しています。RAS(Reticular Activating System)は脳幹に位置し、膨大な情報の中から「重要なもの」と「そうでないもの」を仕分けするフィルター機能を担っています。
アンテナの張り方もやり方やスタンスも人それぞれ。ただ一つ言えるのは、何となく見たり聞いたりしていても、それがストックされることは少ないという事。 気付かずに流れていってしまう。クライアントの要望をしっかりと把握し、関心や興味をそちらに向けてアンテナを立てておけば、あとは『 カラーバス効果 』が助けてくれる。
人間が1日に受け取る情報量は膨大ですが、脳はその大半を意識に上げないよう処理しています。しかし、「これを知りたい」と強く意識した瞬間、RASがそのテーマに関連する情報を優先的に意識へ届け始めます。カラーバス効果は、偶然でも超常現象でもなく、脳の合理的な情報整理の結果なのです。
目標を紙に書いて貼っておくと達成しやすくなる、というのも同じ理由です。毎日目にすることでRASが働き続け、関連情報を自動的にキャッチしてくれます。
カラーバス効果
というお話でした。

ゲツコーギルド合同会社 CEO兼クリエイティブ・コンサルタント
約30年ほど前、インターネットの黎明期から企画・マーケティング、システムやネットワーク開発など、文字通りWEB業界を創ってきました。徐々に大規模プロジェクトが増えたことに伴い、プロデュースやディレクション、コンサルティング、マネジメントを求められるようになり、東日本大震災をきっかけに、フリーランスの地位向上と働き方の創出のために制作ギルドを創立。配信やセミナーなど育成や再生も開始し、デザイナーやコーダーはもちろん、ディレクターやプロデューサーも数多く輩出しています。