好奇心と猫

好奇心と猫 ~ 超えちゃいけない境界線

好奇心と猫

Curiosity killed the cat

好奇心旺盛と言われている猫。行動を見ていると何となく頷けるが、どこか危なっかしい。人間よりも本能的なのだろう。だけど、その好奇心も度が過ぎると危険を伴うことも。今回は欲張り過ぎると身を亡ぼすというお話。

僕の率いるギルドはその名称からもわかるように「好奇心」を原動力に創造する組織。好奇心や興味、関心をもって制作・開発をするのは愉しいし、充実している。しかし何事にも限度はあって、求め過ぎると痛い目に遭うこともある。イギリスのことわざにこんなのがある。

好奇心は猫も殺す

Curiosity killed the cat

好奇心が過ぎると身を滅ぼす。猫はとても好奇心が旺盛。その好奇心が災いしてケガをしたり、閉じ込められたり、思い掛けない災難を呼ぶこともある。

一説によると猫には9つの命があるとされ、そんな猫ですら死んでしまうということわざもある。何でもかんでも興味を持ってあちこちに首を突っ込むと、命がいくつあっても足らない。つまり好奇心であれこれ詮索すると、ひどい目に遭うという例えだ。

立ち入り禁止区域

昔から「親しき仲にも礼儀あり」とか「過ぎたるは及ばざるが如し」とか、境界線を超えるなという戒めのことわざがいくつかある。
まぁ、まさか命まで取られることはないにしても、立ち入っていい所といけない所のラインは存在する。

みなさんの周りに何でも知りたがる「知りたいちゃん」は居ないだろうか。
知りたいと思うこと自体は悪ではないが、状況を感じとるセンスは大事だ。

基本的に情報をオープンに共有することはチームやプロジェクトにとって大事なことだが例外もある。
そのチームやプロジェクトを預かるリーダーは、持ってる情報をどのように使うかを常に判断している。
その情報をオープンにするか、クローズにするかはリーダー次第だが、共有しないとするならば、それにはそれなりの理由があるはず。

そこに好奇心が自慢の知りたいちゃんが現れて、根掘り葉掘り始めたらどうなるだろう。
例えば共有しなかった情報が知らなくてもいいノイズの類なら、知ったところでどうってことはないが、リーダーの判断で意図をもって隠しておきたい情報だったとしたら、知りたいちゃんのデリカシーのない掘り起こしで、円満だったチームやプロジェクトを全てぶち壊すことにもなり兼ねない。

知りたいちゃんの特徴として、自分の好奇心を満たしたいとか、単なる自己満足のために聞くだけ聞いて、その結果どうなるかという想像力が欠如している。
それが個人的な秘密だったとしても、機密情報だったとしてもお構いなし。

立ち入ってはいけない領域もあるし、知らなくていい情報もある。
もし、それを承知の上で、それでもなお立ち入り禁止区域に足を踏み入れようとするなら覚悟すべきだ。

その知り得た情報を受け止め、結果責任を一緒に背負う覚悟を

その情報がどんな情報であれ、聞いた内容をしっかり受け止めるべきで、ミーハーな軽い気持ちで聞いて「ふ~ん」では済まされない。
クライアントからの辛辣な非難かも知れないし、個人的な秘匿事項かも知れない、センシティブでデリケートなものかもしれないし、極めて政治的なことかも…いずれにしても、興味本位で軽く聞き流して済まされる問題ではない。
その情報を知り得た以上、その後の影響や周囲の関係、事後処理などを含めた結果責任をリーダーと共に背負い、チームやプロジェクトを維持、継続することに尽力すべきだ。

繰り返しますが、好奇心をもって、いろんなモノや事に興味を抱くことはいいことだし、知りたいと思う気持ちも悪い事ではないが、知っておいた方がいいことと知らなくていい事の境界線がある。
そしてその境界線を判断するのは貴女ではない。

それでも好奇心を抑えられないというなら、何かを失うかもしれないことを覚悟した方がいい。
それが信頼や人間関係でないことを祈るだけです。

好奇心と猫

というお話でした。