カリギュラ効果
Caligula effect
見るな・触るな・食べるな……と禁じられると、かえってそれを意識してしまい、逆にやってみたくなる衝動に駆られてしまう。今回は 逆説 というお話。
カリギュラ効果とは
カリギュラ効果の名前の由来は、1979年に公開されたアメリカ映画「カリギュラ」にあります。ローマ帝国の第3代皇帝カリグラをモデルにしたこの作品は、その過激さと残忍な描写から、ボストンをはじめとする一部地域で公開禁止になりました。しかし、それがかえって世間の話題を呼んだのです。
ローマ帝国の第3代皇帝「カリグラ」がモデルとなったアメリカ映画「カリギュラ」が、そのあまりの過激さ、残忍さに、ボストンなどの一部地域で公開禁止になったことが、かえって世間の話題となった
この現象にちなんで、禁止されるとかえって余計にやってみたくなる心理効果を「カリギュラ効果」と呼ぶようになりました。心理学では「心理的リアクタンス」とも呼ばれ、自由を制限されたと感じることで、むしろその行動への欲求が高まるとされています。
カリギュラ効果が働く場面は日常にも多くあります。開けてはいけないと言われた扉をどうしても開けたくなる、見てはいけないと言われたものほど目が向いてしまう。禁止という制約が、人の好奇心を引き出す引き金になるのです。
やっちゃいけないを逆手に取る
カリギュラ効果は、広告の手法としてもよく活用されています。たとえば「雪国まいたけ」のCMでは、「高いから買うな!」というメッセージで知名度と売り上げを伸ばしました。「買ってください!」という正統派のPRが多い中、「買わないでください!」という異色のメッセージは、「え、なぜ?」という興味を自然に引き出します。
また、再春館製薬のドモホルンリンクルは「はじめての方にはお売りできません」というシリーズCMで知られています。まず試供品を使ってもらい、品質と価格の両面で納得してから購入してもらうという、ターゲットを絞り込んだ戦略です。
カリギュラ効果を使うPRは、類似商品やサービスがあふれる中で興味を引く点で大きな強みがあります。正統派のPRが多ければ多いほど、逆説的なメッセージはかえって目立ちます。ただし、ターゲットを絞り込む分、大衆向けの訴求には不向きなこともあります。ブランディングや差別化を重視したいケースに、特に有効な手法です。
制作現場での差別化
カリギュラ効果は、ホームページ制作のPRにも活用できます。たとえば正統派のコピーはこうなります。
弊社のホームページ制作サービスは、完全オリジナルのカスタムサービスです。高品質で高機能なサイトで、他社との差別化を実現します。ぜひご利用ください。
一方、カリギュラ効果を意識したコピーはこうなります。
予算がないので、とりあえずホームページがあればいいという方には、弊社のサービスをご提供しません。テンプレートを使った量産型のサービスをご利用ください。
さらに、両者を組み合わせることもできます。正統派のメッセージで価値を伝えつつ、「ただし、以下のようなケースにはご対応できません」とカリギュラ要素を加えることで、サービスの品質基準を明示しながら、理想のクライアントに絞り込んで届けることができます。
制作現場でカリギュラ活用例
(正統派部)弊社のホームページ制作サービスは、御社のビジョンと期待する効果を最大限引き出す、完全オリジナルのホームページを制作するサービスです。 構成・設計にはテンプレートを一切使わず、ご要望に沿ったカスタムメイド!海外にも通用する洗練されたデザイン! ユーザーの興味を引く面白い動きや、使いやすい機能をご希望通りに実装!他社との差別化を図るハイクオリティなホームページをご提供します!
(カリギュラ部)ただし、以下のような企業様にはサービスをご提供いたしません。
- 予算がないので安く創って欲しい
- とりあえず、何でもいいからホームページがあればいい
- 制作後、更新できない(更新する体制が出来てない)
このような企業様は、ホームページを創っても効果は出せませんし、目的達成にも程遠いので、弊社サービスではなくテンプレートでよくある量産型のホームページ制作サービスをご利用ください。
ただし、見ようによっては挑発的に映るため、取り扱いには注意が必要です。言い方やタイミングなど、状況をよく考えた上で、心理的効果を狙ってみてください。。
ちなみに…
カリギュラ効果は昔話の中にも顔を出します。浦島太郎は「玉手箱を開けてはいけない」と言われながら開けてしまいましたし、鶴の恩返しでは「絶対に覗いてはいけない」と言われた機織り部屋をやはり覗いてしまいました。
禁じられると逆にやりたくなってしまうのは、どうやら人の性のようです。昔話の教訓として何度も語り継がれているということは、それだけ普遍的な人間心理だということでもあります。
カリギュラ効果
というお話でした。
~ 本文で参考にした書籍をご紹介 ~

ゲツコーギルド合同会社 CEO兼クリエイティブ・コンサルタント
約30年ほど前、インターネットの黎明期から企画・マーケティング、システムやネットワーク開発など、文字通りWEB業界を創ってきました。徐々に大規模プロジェクトが増えたことに伴い、プロデュースやディレクション、コンサルティング、マネジメントを求められるようになり、東日本大震災をきっかけに、フリーランスの地位向上と働き方の創出のために制作ギルドを創立。配信やセミナーなど育成や再生も開始し、デザイナーやコーダーはもちろん、ディレクターやプロデューサーも数多く輩出しています。