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ギフト ~ 選ばれし者への贈り物

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Gift

WEBデザイナーやグラフィックデザイナー、マークアップ、フロントエンド、プログラマー、ディレクター、イラストレーター、ライターなどなど、クリエイターやエンジニアって誰でもなれる職業ではないと思うんです。個性や適性や持って生まれた感性とか何かあると思うんです。今回は才能というお話。

クライアントの担当者は自分が創れもしないのに、簡単にあれやこれやとクリエイターやエンジニアを気軽に召使のようにコキ遣おうとする。
しかもそれに見合った対価を支払おうとはしない輩が世の中には一定数存在します。
制作のマッチングサービスやクラウドソーシングを眺めてるとホントにふざけた内容がシレっとアップされたり耳を疑うような条件を提示する。
クリエイター側の味方みたいなフリして嘆かわしい限りです。
また、そういう割に合わない案件を請けるクリエイターも一方で存在するので、そういうマーケットも必要悪なのかもしれませんね。

まぁ、毒づくのはこれくらいにして、冒頭の話に戻すと、勿論、自称レベルからプロフェッショナルまで一括りにはできませんが、デザインしたりコードやソースを書いたりすることで生計を立ててる人は、概ね才能がある人だと言えるでしょう。
才能とは「もって生まれてきたもの」と、日本人の多くは解釈していると思いますが、欧米の特に英語圏では少し違っているようです。

クリエイターは選ばれし者

“Gift” と言う英語がある。Giveを語源とする「贈り物」を意味する言葉だが、他に「天賦の才能」と言う意味がある。キリスト信仰では「天(神)が与えてくれたもの」という考え方があるからだ。

なるほど、才能は天(神)が与えてくれたモノと考えれば、選ばれし者が存在して、できる人とできない人の差ができるのも頷ける。
そして、その才能を活かして必要な人の手助けをする。
その行いこそが贈り物と言えなくもないなぁと。
素敵な表現をするもんですね。

贈り物と言えばもう一つ ” Present ” という英語もあります。
この ” present ” にも「今、現在」って意味があると、ウチの翻訳担当メンバーから聞きました。
「今があることこそがプレゼントなんだ」って聞いたことがある。
神に感謝するという信仰心が、そう思わせるのかもしれませんね。

折しも、お中元の季節。
日本では毎年7月15日~8月15日の間に、目上の人やお世話になった人達に贈り物をする習慣があります。
出世のために形式的なモノをやり取りする無意味な習慣を終わらせ、日頃の感謝をこめて ” Gift ” を授かった人たちと共に労をねぎらったり、感謝の言葉を掛けて一席設ける方が、よっぽど世のため人のためになるんじゃなかろうか。

以前書いた『 草枕 ~ 人の心を豊かにするが故に 』の回で、漱石はこう書いてると紹介しました。

あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするがとい。

出典:夏目漱石 著 『 草枕 』より

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故(ゆえ)に尊い。僕もそう思うのです。

普段、クリエイターに無理難題をぶつけたりないがしろにしているみなさん、たまには奮発して食事や酒の席でも設けて、日ごろの労をねぎらってあげると、或いは罪滅ぼしになるかもしれませんね。

Gift – 贈り物

というお話でした。