下町ロケット

下町ロケット ~ 替えの利かない歯車

下町ロケット

Gear of company

組織やプロジェクトの中で、自分は「単なる歯車に過ぎない」と感じてモチベーションを失ってしまうことはないでしょうか。本意じゃないことにも従わなくちゃいけない場面や、上司からの理不尽な要求、無理難題のオンパレード。会社員に限ったことじゃないが、組織に属する人ほど顕著に不平不満を感じているだろう。今回は、「歯車」というお話。

組織の歯車としてプライドを持つ重要性

「会社やチームの歯車」という言葉は、しばしば個性を殺して働くネガティブな文脈で使われがちです。しかし、どれほど巨大で精密な機械であっても、たったひとつの歯車が欠けたり噛み合わなかったりするだけで、全体は正しく動作しなくなります。

大切なのは「代わりのきく歯車」として流されるのではなく、「この歯車でなければ動かない」と言わしめる圧倒的なクオリティと誇りを持つことです。自分の持ち場で全力を尽くす姿勢こそが、組織全体を動かす大きな力となります。

最近、面白い本を読んだ。池井戸 潤氏の直木賞受賞作品『 下町ロケット 』。 あらすじはこんな感じ。

宇宙工学研究者としてロケット開発に携わっていた佃(主人公)は、打ち上げ失敗の責任を取って職を辞し、親の後を継いで町工場の経営をすることに。
資金繰りや経営難、下請イジメ、訴訟問題などの試練を乗り越えたとき、町工場が持っている特許技術が、ロケット製造に必要なパーツだということがわかり、大手メーカーとのバトルが始まる。

参考:池井戸 潤 著 『下町ロケット』より

注目したいのは、町工場が特許を持つ一つのパーツが、ロケットの製造にとって非常に重要なパーツだということ。つまり、その町工場のパーツがなければ、ロケットを宇宙に飛ばすことができないのだ。

下町ロケットが教えてくれる熱量と技術革新

『下町ロケット』の舞台となる佃製作所は、大手企業の理不尽な圧力や特許問題に直面しながらも、自社の持つ高い技術力とプライドを武器に戦い抜きます。

彼らが証明したのは、規模の大きさではなく「何のために仕事をするのか」という強い熱量と情熱の重要性です。どんなに困難な局面であっても、現場の技術者一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、妥協しない姿勢を貫くことで、不可能と思われた壁を打ち破ることができます。

自分の仕事に真の価値を見出すアプローチ

日々の業務が単調に感じられたときは、自分の作業が「最終的にどこに繋がり、誰の役に立っているのか」を意識することが大切です。目の前の小さな部品(作業)を作っているのではなく、巨大なロケット(目標)を飛ばす一翼を担っているという視点を持つことです。

全体像を見失わずに自分の役割を全うするとき、日々の仕事は作業から「情熱を注ぐ対象」へと変化します。自分の手で確かな成果を創り出す喜びを忘れないようにしましょう。

替えが効かない歯車になる

主人公の佃がこんなことも言っている。

仕事というのは二階建ての家みたいなもの。一階部分は飯を喰うために金を稼いで生活していく現実的な部分。
だけど、それだけじゃあ窮屈だから夢がなきゃならない。それが二階部分だ。

夢だけ追っかけても飯を喰ってはいけないし、飯だけ喰えても夢がなきゃつまらない。

参考:池井戸 潤 著 『下町ロケット』より

主人公の佃は、どちらも諦めないと言っている。

経営難の町工場にもかかわらず、20億円の提示でも大手メーカーに特許権を譲らなかったのは、自分たちの技術でロケットを打ち上げたいという二階建ての二階部分が主人公のモチベーションになっていたからです。

歯車というパーツの一部であっても、いずれ大きな仕事をしてやる!その為に重要な歯車になってやる!っていう、夢が必要なんだということを教えてくれたような気がします。

みなさんは平屋建て?それとも二階建て?

ちなみに…

ちなみに、『下町ロケット』のモデルのひとつと言われているのが、東大阪市や東京都大田区などの「ものづくり町工場」です。

高度な加工技術を持つ町工場が結集して作られた小型人工衛星「まいづる」や、打ち上げロケットの超精密部品など、日本の宇宙開発の最前線はまさにこうした小規模な工場の手によって支えられています。小説の世界だけでなく、現実のビジネスにおいても「小さな歯車の集積」が世界最高峰の技術を動かしているのです。

自らが誇り高き歯車となったとき、あなたの仕事は世界を動かすロケットになります。

下町ロケット

というお話でした。

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