北風と太陽
The North Wind and the Sun
今回はイソップ寓話の有名な話『北風と太陽』。一度は聞いたことがあるだろう。着ているものを脱がせたければ寒風吹きすぶ北風よりもカンカンと照りつける太陽だという話だが果たしてホントにそうなのか?っていう臨機応変というお話。
一応、どんな話かというと、
北風と太陽がどちらが強いかで言い争っていた。
議論ばかりしていても決まらないので、力試しをして旅人の着物を脱がせた方が勝ちと決めた。
最初に北風がチャレンジするも、冷たい強風にさらされ、旅人は震えあがり、着物をしっかり押さえ、寒さのあまり今まで着ていた着物の上に、もう1枚重ねて着てしまった。
次に太陽。太陽はまず始めにポカポカと暖かく照らす。そして旅人がさっき1枚余計に着込んだ上着を脱ぐのを見て、さらに暑く強い日差しを送る。ジリジリと照りつける暑さに、旅人はたまらなくなり着物を全部脱ぎ捨てると、近くの川へ水浴びに行った。
他人に何かをしてもらう為には北風の様に無理矢理では逆に頑なになってうまくいかないという例え話ですが果たしてホントにそうなのか、僕は少し違和感を感じます。確かに太陽の様に相手の気持ちになって考え行動すれば他人は動くという考え方は嫌いじゃない。
しかしそもそも議論ばかりで埒が明かない停滞状態で時間の許す限り意見の堂々巡りを永遠と聞かされる会議があるとします。商談や議論で決着を付ける時、それは有効的な時間の使い方と言えるだろうか。いいえ、それは苦痛以外の何物でもありません。
太陽のようにジワジワと説得を続ければすべて解決というものでもないし、力業で「えいやー」と決断する北風方式も時には必要です。
つまり、強行に進める北風が良くないわけではなく、議論を尽くした上で最終的に北風を使うか太陽を使うかは、その場の状況や今後の影響を考えて臨機応変に対応すればいい。決まらない、決められない決裁者、責任者も少なくないし、責任を取りたくないから敢えて決めない人も居ます。
そういった優柔不断な態度の決裁者、責任者にいつまでも付き合っていたら、決定的なタイミングを逃し、スケジュールにも影響が出る。そしてそのツケを払わされるのはデザイナーやコーダーなど実際に手を動かす現場のクリエイターなのです。
立場が違う人に自分の立場を理解させるのはなかなかに難しい。容易なことではありません。
だけどこういう状況が見えていれば北風だって太陽だって使い様です。
誰にも判断できないことであれば「北風」を、時間をかけて説明すれば理解も納得もできるのであれば「太陽」を臨機応変に使う。いたずらに『北風と太陽』を例に持ち出し、間違った解釈でいたずらに時間を費やすのではなく、冷静にその場が「北風」か「太陽」かを判断できるマネージメント能力を身につけておきたい。自戒を込めてそう思うのです。
北風と太陽
というお話でした。
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