引き寄せの法則
The Law of Attraction
思考が現実になる…そう聞いてみなさんはどういう印象を持ちますか。僕は何かの勧誘かまやかしだって思います。しかし書店ではそういう類の成功法則本がたくさん売られていて、その通り実践して成功した人も居るとか。いろいろと読み漁って調べてみるとなるほど納得できる部分もある。今回は運と縁というお話。
書店で並ぶ「思いは通じる」「願えば叶う」的な成功法則本は、1937年に刊行された『 思考は現実化する 』 ナポレオン・ヒル(Napoleon Hill, 1883年10月26日 – 1970年11月8日)(著)に由来する「引き寄せの法則」(代表的な著書『 ザ・シークレット 』 ロンダ・バーン(Rhonda Byrne, 1945年 – )(著)が元になってると思われますが、眉唾っぽい感じが否めず胡散臭さを感じます。検索すると処世術などのビジネス書のみならず恋愛に関するものも数多くヒットしますので余計に信用度が薄まりますよね。
この「思考が現実化する」が元とされる「引き寄せの法則」をかいつまんで言うと、良きにつけ悪しきにつけ「自身が思っていること」は自然と引き寄せられて実現されるというものです。
刊行されて約80年、法則というカタチとなって受け継がれ世界中で1億冊以上も読まれているこの『思考は現実化する』から、みなさんはどんな事を思考し、それを現実化させたいと思うでしょう。僕のような俗な庶民は概ねこんなことを咄嗟に考えつきます。
・お金持ちになる
・美人の彼女ができる
・食べても食べても太らない体になる
・愉しくできる仕事だけやる
・眠るように苦しまずに死ぬ
・前世の記憶を持って生まれ変わる
まぁ小学生の発想と大して変わりません。
さて本題。これ、強く念じようが願おうが思い続けようが信じようが、誰がどう考えても実現するわけありませんよね。でも法則というからには多くの人が「そうそう、あるある」ってならないといけないはず。でもそうならないのは何故でしょう。
本をよく読んでいくと思いは引き寄せられて実現するという一種「おまじない」のような言葉に引っ張られていて、本質と小学生並の発想にちょっとしたズレがあるのがわかります。
この法則の本質は単純に「思っている事」ではなく「思考」と「感情」を指していて、例えば「お金持ちになる」というのは薄ら思ってる事に過ぎず、どういう手段でお金持ちになり、お金持ちになったらどうするのかという、具体的な思考のプロセスが必要なんだと思います。
また、なぜお金持ちになりたのかと言えば、値段を気にせず欲しい時に欲しいモノを買いたいからですが、その欲しいものを手に入れた時の高揚感や人に見せびらかした時の優越感といった感情を味わいたいから、結果「お金持ちになりたい」のではないでしょうか。
思考プロセスがちゃんと筋が通っていて、そこに感情がついてきてはじめて引き寄せの法則が発動されるのではないかと思うわけです。
引き寄せの法則は宇宙の基本原理だとも言います。誰かが意図して引き寄せるわけではなく自身が望むと望まざるとに関わらず、その内容がポジだろうとネガだろうと条件が揃っていたら自然と引き寄せられるものなので、念じる強さや信じる強さでどうこうなるという類のものではないし、夢のようなあやふやで不確かなものに、どこからともなく突然にやってくる「引き寄せの術」的な忍法でもなさそうです。
だとすると、こんな仮説が成り立ちます。
1.実現させたいことを思考する
2.そのプロセスをリアルに思い描く
3.出来る範囲で行動する
4.法則の発動を待つ
5.周囲で異変が起こる
その結果、思考が現実化している(引き寄せの法則発動)
この仮説、僕は何となく腑に落ちます。以前カラーバス効果について書きましたが(カラーバス効果 参照)ちょっと共通したところがあります。興味を持った事柄を調べ始めた途端に必要と思われる周辺の情報やその情報を持った人と出逢ったりしてミラクルが起こることがあるというお話です。もしかすると、これが宇宙の基本原則なのかもしれません。
運と縁
ここまで読んで、もっと身近な例えでピンとくるものがあると感じませんでしたか。僕は書いてて思い浮かんだ言葉がありました。それは「運と縁」です。
人間のコントロールできない引き寄せの法則は一定の条件下で発動される「運」のようなもの。自身が主体的に動けば手に入るというものではありません。一方でしっかりとした思考プロセスで実現のために行動を起こすことで「縁」が生まれます。「縁」つまり人と人との繋がりによって思考の現実化を確実なものにする。
鍵と鍵穴のような関係で、一対になってはじめて発動され、現実化されるのではないでしょうか。
一見「思考の現実化」や「引き寄せの法則」という字面を見ると、冒頭のように非論理的な夢物語と誤解してしまいますが、実は偶然的な要素は一つもなく全てが必然、成るべくして成ったということなんじゃないかと思えてきます。結局ただ妄想して他力本願でゴロゴロしてたら願いが叶うという類のものではなく、達成したい何かを論理的に考えて、できる範囲で無理なく行動していると、そのご褒美で宇宙の絶大なるエネルギーが一つの思いを叶えてくれる、或いは手助けしてくれるみたいな、ちょっとSFチックですけどそう言う事なんじゃないかと思うわけです。
リアルなサクセスストーリーを妄想し、それを現実化させるために動いてみるか!っつって、まぁ殆どの場合、自ら嫌いなことはやらないでしょうから、そんなに苦もなく進めながら不都合を修正し、妄想を膨らませていくと、ある時からなんだかわからない別のエネルギーが働いて成功へといざなってくれるとしたら、それこそ夢やロマンがありますよね。
みなさんも実践してみませんか。僕はとりあえず眠るように死ねたか次の人生で確かめるところから始めます。え?
引き寄せの法則
というお話でした。
~ 本文で紹介された書籍をご紹介 ~
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ゲツコーギルド合同会社 CEO兼プロデューサー
2016年に東京下町から瀬戸内の離島に移住。クリエイターの働き方や人財育成、再生、地域でのクリエイティブやICTを活用したブランディングや地域創生、事業再生を得意としたプロデュースやディレクションで活躍中。メガネ&広島弁や伊予弁など方言女子が大好物。個人的には懐古的なモノがスキ。ネガティブ属性だがユーモアを忘れない。1970年 江戸下町産。