六次の隔たり

六次の隔たり ~ 未知のパズル

世界は6人で繋がっている

Six degrees of separation

クリエイターの制作ユニットの立ち上げ、交流会やセミナーなど、制作や開発するだけでも手一杯なのに、なんでそんな大変な組織やイベントを主催するのかってよく聞かれます。いろいろと考えはありますが、その中でも最も大きなファクター、今回は つながり というお話。

5.83人を介して届く手紙

「六次の隔たり(Six Degrees of Separation)」 とは、知り合いを6世代介せば世界中の特定の誰かと出会えるという仮説です。いくつかのSNSはこの仮説をもとに設計されています。果たしてホントでしょうか。それを実践した人がいます。

1967年、イェール大学の心理学者 スタンレー・ミルグラム教授(米:Stanley Milgram、1933年8月15日 – 1984年12月20日)が「スモールワールド実験」を行いました。ある人物の名前と写真を封筒に入れ、こう条件を付けます。「この人を知っていれば直接本人へ届けてほしい。知らなければ、自分の名前と住所を書いて、この人を知ってそうな人に送ってほしい」と。

結果、その人物までに介した人数の平均は 5.83人 でした。つまり、6人を介せばほぼ誰にでも届くという計算になります。

その後、同様の実験が各地で実施されています。日本でも行われており、大体5〜7人を介せば本人に辿り着けるという結果が出ています。

他人の手を借りる

人が何かを起こそうとするとき、自分の限界を知る場面は往々にしてあります。スキルや経験が足りない。決定的に何かが欠けている。そういうとき、精神論や根拠のない自信で乗り切ることはできません。現実的・論理的に考えれば、他人の手を借りるしかないのです。

とはいえ、手当たり次第に声をかけても非効率です。望む人材が集まるとは限りませんし、声をかけられた方もそう簡単には力を貸してくれません。

しかし、普段から悩みや目標を語り合える仲間がいたらどうでしょう。同じ思いを共有できる人たちがいれば、同じベクトルで進むことができます。また、一緒に仕事をしたり、交流会でぶっちゃけて話すうちに、新しいアイデアや方向性が見えてくることもあります。とは言え、そう簡単に誰彼構わず手当たり次第に声を掛けても、非効率なうえに望んでいる人材が集まるとは限りません。声を掛けられた方も、そうそう簡単に力を貸してはくれない。

そこで六次の隔たりが力を発揮します。意識的につながりを広げることで、自分だけでは出会えなかった人物と6ステップ以内で繋がれる可能性が生まれるのです。

壮大な未知のパズル

冒頭の「なぜ組織を立ち上げたりイベントを主催するのか」という問いかけの応えは、「この指とまれ!」で目標を実現できる、ソーシャルなコミュニティが必要だからです。

一匹狼で活動していても、大きなことを実現するためには同志が必要です。見る人や次の世代に面白いものを残すためのチームを作るには、「つながり」と「きっかけ」が欠かせません。

例えて言うなら、壮大なパズルを創っているような感覚。完成図が見えない、大きくて複雑なパズル。そうして完成したパズルの一部は、想像もしていなかった絵だったりするから、それを見るのがまた楽しいわけです。

もし夢や目標が自分一人では成し得ないものなら、あらゆる場所でことあるごとに声に出して言ってみてはどうでしょう。六次の隔たりを信じて動けば、6世代で出会いたい人物に、あるいは達成に導く誰かに繋がるかもしれません。

ちなみに…

ちなみに、「六次の隔たり」という言葉そのものを作ったのは、ミルグラムではありません。1990年に発表されたアメリカの戯曲のタイトルが由来とされており、脚本家のジョン・グエア(John Guare)が名付け親です。

SNSが普及した現代では隔たりはさらに縮んでいて、FacebookとミラノのGiven大学の共同調査では平均4.74人という結果も出ています。世界はみんなが思っているより、ずっと狭いのかもしれません。

六次の隔たり

というお話でした。

~ 本文で参考にした書籍をご紹介 ~

(参考・出典)