やる気は、行動の「後から」やってくる
Work Excitement — Motivation Follows Action
遣らなきゃいけないことがあるのに、なかなかやる気が起きない。身が入らないというか、気分が乗らないというか、とにかくボサっとしてる間に時が過ぎ去り気ばっかり焦ってしまう。つい後回しにしてしまう。しかし実は、やる気は行動の後からついてくるものなのです。今回はそのものズバリ、やる気 というお話。
やる気が出ない
構成案や提案書を書かなければならないのに、つい手が止まってしまう。気がつくとSNSを開いて、関係のない投稿を眺めている。そんな経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
たとえばデザイナーがカンプを作り始める前、エンジニアがコードを書き始める前にも、同じことが起こります。やらなければいけないとわかっているのに、なぜか手が動かない。そして気づけば時間ばかりが過ぎている。
多くの人がこの状態を経験しているということは、何か心理的な仕組みがあるはずです。調べてみると、それを説明する現象がありました。
側坐核と「作業興奮」のしくみ
ドイツの精神科医エミール・クレペリンは、やる気に関する脳の仕組みについて、こんなことを述べています。
やる気に関係している脳の部位には「側坐核(そくざかく)」という部分がある。この側坐核は、心の中でいくら強く思っていても動き出してはくれない。働かせるためには「とりあえずやる」ことが必要だ。そして実際に手を動かすことで、側坐核が刺激され、やる気が生まれてくる。
この現象は「作業興奮」と呼ばれています。やる気が出ないときには「あとでやる」のではなく、気分が乗らなくても「とりあえずやる」。そうすることで、やる気は後からついてくるのです。
制作現場における「とりあえず動く」の効き目
これまでは、やる気になってから作業を始めると一気に進む、と思っていました。しかし実際は逆だったのです。気乗りしなくても、まず始めることが大切でした。
たとえば、白紙のキャンバスを前にすると手が止まってしまうイラストレーターも、とりあえず一本の線を引いてみると、そこから一気に手が動き出すことがあります。同じように、エンジニアも最初の1行を書き始めると、思いのほかスムーズにコードが進むことがあるのではないでしょうか。
やる気を待っていても、いつまでも気まぐれに訪れてはくれません。そのため、やることはどんどん後回しになり、結局は締切間際になってから渋々取り組む、ということになりがちです。やる気は後から追いついてくるという考え方は、とても新鮮でした。
出不精な人が、出かけるまでは気が重いのに、いざ出かけてしまうと楽しくなって満喫して帰ってくる。あの感覚に、よく似ています。やる気スイッチはオン・オフのようなものだと思っていましたが、実際は自転車のように、こぎ始めると発電するような仕組みだったのです。そう知ると、少し気が楽になりました。
ちなみに…
頭には「百会(ひゃくえ)」という、リラックスと集中の両方に効くツボがあります。つむじの位置ではなく、左右の耳と眉間の延長線が交わる、頭頂のやわらかい部分です。気分が乗らないときは、軽くマッサージしながら作業に取り掛かってみるのもよいかもしれません。
やる気がないなら、それでいい。とりあえず手を動かしてみましょう。
作業興奮
というお話でした。
~ 本文で参考にした書籍をご紹介 ~
(参考・出展)

ゲツコーギルド合同会社 CEO兼クリエイティブ・コンサルタント
約30年ほど前、インターネットの黎明期から企画・マーケティング、システムやネットワーク開発など、文字通りWEB業界を創ってきました。徐々に大規模プロジェクトが増えたことに伴い、プロデュースやディレクション、コンサルティング、マネジメントを求められるようになり、東日本大震災をきっかけに、フリーランスの地位向上と働き方の創出のために制作ギルドを創立。配信やセミナーなど育成や再生も開始し、デザイナーやコーダーはもちろん、ディレクターやプロデューサーも数多く輩出しています。