ハロー効果

ハロー効果 ~ よく見えすぎる弊害

ハロー効果

Halo effect

見た目や学歴など、外見に惑わされることってあると思う。良くも悪くも見た目が影響することは、真実を歪めてしまうことにもなりかねないので、なるべく避けたいところだが、今回は適性というお話。

恋愛でも仕事の面接や何かのオーディションでも、ある対象を評価する時に顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象を「ハロー効果」という。
一般的にはポジティブな方向への歪みを指すことが多いようだが、ネガティブな方向へのハロー効果も存在する。例えば、

ある人が有名な難関大学卒だったり、字が上手かったりすると、その人が頭が良くて、人格的にも優れていると思い込んでしまったり、逆に有名人が不祥事を起こすと、CMで商品自体に何の不満もないのに、購入意欲が削がれる。

心理学の認知バイアスの一種であるこのハロー効果は、昔から何となくこういう事ってあるよね?ってことを米国の心理学者 エドワード・L・ソーンダイク(Edward L. Thorndike)が実証研究で明らかにしたもの。

本人の意思に関係なく履歴書や経歴を見ると、その人の良い特徴も悪い特徴も、強く印象に残った部分だけで判断するという恐ろしくもあり、やっぱりなという複雑な思いになる現象だが、確かに初対面でその人の適性や本質を見極めるのは難しい。
いい学歴であれば地頭や要領が良いとか、字がうまければ性格もキッチリとしてるのかなとか、どうしてもそっちに引っ張られる。

クリエイティブに於いて、学歴や学校のランクがどれほど価値があるのか、採用基準にしてる企業の気が知れないが、そういう企業に選ばれて採用される側も気の毒だ。正しく能力を評価されずに、ハロー効果で目をくらまされてる採用担当者の元で働くことになるわけだから、働いてからも正しく評価されるわけもなく、サービス残業をたくさんして文句を言わないYesマンがいい評価を受けてクズ上司の一丁上がり。

スキルやテクニックを正しく評価するには、実際に創らせてみるのが一番。過去の作品をポートフォリオにまとめてもらっても、スキルの証明にはなり得ないので、ギルドではトライアルを実施している。
テーマを与えてそれを期日内に提出してもらうが、このトライアルでいろんなものが見えてくる。
例えば期日内に提出できなければ、時間にルーズだったりスケジュール管理が甘いってことになるのでチーム制作には向かないし信頼関係も築けないとか、デザインならテイスト、コーディングならソースのクセとかも見えるし、作業時間がどのくらい掛かるか?とか、指示に対する理解力とか、レスが早く確実か、コミュニケーションに問題はないか、修正指示への対応などなど、どんな質問よりも顕著に、クリエイターとしての素質や資質が感じられる。100の言葉より1つの実技。

Qriousを創立してから6年間で300名以上のクリエイターやエンジニアとお話を交わしてきた。そのうちの約40名が現在、縁あってギルドに所属して一緒に活動しているが「わたしはできる!」の「できる!」はどの程度のものなのか、ポートフォリオやURL、面談などで見たり聞いたりしても、いくらでも盛れるしウソもつけてしまうから、Qriousではトライアルと面談を重視している。

言っていることを信じないわけじゃないし、多少盛ることはいいだろう。誰でもそれくらいはやってる。が、受託制作をする以上、クライアントが望むものに応えるためには、それに応えられるスキルをクリエイター自身が有してなければならないし、それはハロー効果に惑わされると誰にとっても不幸だ。

学校を出てようが出てなかろうが、センスや感覚などモノサシでは測れないものもあるし、選考用の型にはまった平均的な人を採用しても面白くないし、ギルドはそんな組織を目指してるわけでもない。
少なくとも外見だけで恋愛相手を決めるような尻軽集団にはしない。
上辺だけを評価して、これからチャレンジする人の夢を潰すような、芽を摘んでしまうような集団であってはならない。

不器用な人の方が愛着も沸くし、作品やテイスト、発想や着想が面白かったり、人間的に面白い愛すべきキャラが集まる組織にしていきたいと思っているので、アーティストやインフルエンサーのような有名人は要らないが、誰もこの面白さを分からないのかなぁ?っていう人を発掘してキャラ付けしていきたい。
そういう人たちが集まっているからこそ、差別化を図れる面白いWEBサイトが制作できるし、Qriousの実績として支持を得られていると思うわけです。

どうせハロー効果に影響されるなら良い影響を受けたい。

ちなみにハロー効果の「ハロー」は出逢いの “Hellow” ではなく、観音様の頭のあたりで光っている「後光 = Halo」から来ている。
“Halo” に惑わされることなく “Hellow” でいい出逢いをしたいものだ。

ハロー効果

というお話でした。

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人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている