キャスト ~ 夢の実現は ”人”

キャスト ~ 夢の実現は ”人”

キャスト

Requires people

色んなサイトを何の気なしに徘徊していると、東京ディズニーランドの下層ページに辿り着いた。学生時代に真夏の炎天下で数か月アルバイトしたことを思い出す。基本的な考えは30年以上前に教わったことと変わってないなぁと懐かしく思いました。今回は人財というお話。

行き着いた先は「キャストとは|東京ディズニーランド」というページ。そのページでは、お客様はゲストと呼び、ディズニーランドはアトラクションでもエンターテイメントでもなく、ゲストの夢を実現させるための場所であることが書かれています。(現在はホテルのページで一部紹介されてます)
そして、それを実現させるのは「キャスト」つまり人だという、ディズニーランドの理念が書かれていました。

こう言った考え方は、ウォルト・ディズニーの名言からも読み取れます。

人間は誰でも、世の中で最も素晴らしい場所を夢見て、創造することはできる。設計し、建設することもできるだろう。しかし、その夢を現実のものにするのは人である。

ウォルト・ディズニー

この業界でも同じですよね。あんなことが遣りたい、こんなこともやりたい。企画や計画を立てたり、あーでもない、こーでもないとアイデアを出したり、ブレストしたり、興味があることをそれぞれがラフな感じで呑みながらワイワイ話すのは実に楽しい。そしてそれを実現するのは「人」なんですよね。
スキルや経験を持った人が集まって、楽しい仕掛けや綺麗なデザインを分担して1つのサイトを創り上げる。つまり制作会社や制作グループにとっても、大切な財産は「人」なのです。

それを勘違いしている制作会社や広告代理店、制作を発注するクライアントが実に多い。クリエイターやエンジニアをないがしろにする輩が多いのは嘆かわしい限りです。
そういう輩に限って取りまとめる能力や指示する能力が劣っていて、全然、案件が進まないというお粗末な展開で、余計にしわ寄せが来るケースは、これをご覧のみなさんの中にも経験がある方がいるんじゃないでしょうか。
手に職を持った人たちに対して、この国は優しくないですね、ホントに。

一方で先ほどのページには、「ゲストの幸せはキャストの幸せ」というキャッチが書かれていますが、やはり楽しませることに喜びを感じて、それをモチベーションとして働ける人は、そうそういませんから、やはりこれも財産と言えます。
自分の技術や感覚に固執して、独りよがりな設計思想やデザインセンスを押し付けるクリエイターやエンジニアが残念ながら一定数存在します。クライアントの要望に真っ向から対立し、自分のやり方に固執し、自分の知識と情報のみを手掛かりに自分の技術を過信している残念な人がいます。

東京ディズニーランドでゲストが体験したキャストにまつわるエピソードを数多く見聞きします。例えば、ほうきでミッキーマウスの絵を描いて見せるパフォーマンスは、キャストからの自発的な提案ではじめられたそうです。
そういうエピソードは、普段からキャストがゲストを楽しませるという高い理念と理想郷をイメージしているからこそ、いろいろ誕生するって事だろうし、もっと言えば、それが採用の段階から始まっていて、徹底的に教育されているってことの裏返しだと思うのです。

クリエイターやエンジニアが「詰まらないなー」と感じるのは、東京ディズニーランドのような人をどのように採用し、どのように育成していくか?という理念や、ユーザーやクライアントにとって、どうすることが理想で、その理想をどのように達成していくか?と言う部分が、制作する側からすっぽりと抜け落ちてるからなのかもしれません。

売上を伸ばすことは企業や組織にとって確かに重要ですが、そのために大切な「人財」を深夜まで働かせたり、休みの日を返上して出勤させたり、仕様や発言をコロコロ変えたり、無茶振りして困らせてもいいことなど1つもないですよね。
やはりクリエイターやエンジニアには、いろんな意味でゆとりをもって作業してほしいし、ユーザーやクライアントが満足するWEB制作・開発やデザイン制作を達成感に変えて一緒に分かち合いたいと、自戒を込めてそう思うわけです。

キャスト

というお話でした。

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