哀しき道化師(ピエロ)

哀しき道化師(ピエロ)~タイトルに秘めた想い

哀しき道化師(ピエロ)

Sad clown

こんにちはみなさん。 おもむろに始まりました、『 哀しき道化師 』へようこそ!まずはこのブログのタイトルの話をしていきましょう。暇な方はお付き合いください。そして、気が向かなくてもフォローとかシェアーとかをノルマに課しておきますね。

顔で笑って心で泣いて

道化師とは本来、Clown(クラウン)と呼ばれ、中世ヨーロッパで宮廷道化師として王族に召し抱えられたことが始まりとされています。

身分が低く、犬同然に扱われたという記述もあるくらい蔑まれながらも、宮廷に訪れる客や大衆を笑わせ、楽しませたといいます。

その道化師の中でも、更に道化も道化のような存在がPerrot(ピエロ)で、日本では ❝ 道化師=ピエロ ❞ という印象がありますが、ピエロにはクラウンとは違う特徴があるのです。そう、涙。ピエロには必ず涙のメイクが施されているのです。

その理由は諸説ありますが、僕はこの理由が一番気に入っています。

ある時ピエロは花を売る盲目の女性に恋をした。

二人はいつしか恋に落ち一緒に暮らすようになる。

女性はピエロが見たいと願うようになり、ピエロは光を見せてあげたいと、目が見えるように治すことを約束する。

お金も貯まり、手術も成功し、ピエロは毎日献身的に看病し、そのお陰で順調に回復して約束通り目が見えるようになった。

そして初めて女性が目にしたピエロの姿・・・汚れた作業服にみすぼらしい姿、軋むドアに薄暗く殺風景で小さな部屋、見えるようになって突きつけられる現実。

ピエロは女性の顔に失望の影が走ったのを見逃さなかった。

次の日、いつものように街角に立つピエロの頬には、きらめく大きな涙の雫が描かれていたという。

シチュエーションは微妙に違うものの、失望してもみんなを楽しませるために道化を演じる使命があるピエロは、落ち込むことが許されないという心情を涙でささやかに表現したという部分は共通しています。

ピエロはパントマイムで感情を表現して大衆を楽しませるキャラクター。心の内を、ましてや言葉で伝えることなどできようはずもありません。ピエロに徹し、いつでも何があっても笑ってみんなを楽しませなければならない使命を背負ってるのです。

だけど傷つくことだってムカつくことだってイラつくことだって、人間だからネガティブな感情を持つことは当然あるでしょう。正に「顔で笑って心で泣いて」感情を押し殺して今日も道化を演じているのです。

円滑に進めるために

これってプロデューサーやディレクター、組織を動かす人や人の上に立って先導する立場の人に共通してますよね。

矢面に立って、いろんな障害や困難に最前線で立ち向かいます。しかし相手からぶつけられる感情、辛辣な言葉などネガティブな内容を全て正直にチームに伝えることはしません。在りのままを直接伝えればショックも大きいし、負の感情が連鎖します。ここはグッとこらえて、咀嚼して飲み込んで、或いはオブラートに包んで、やんわりと伝えてることでしょう。

言わなくていいことは言わなくていいし、知らなくていいことは知らなくていい。全てを知ったところで、それを解決できる術などないのですから。

ネガティブな感情は自分だけが背負えばいい。

そう、タイトルの『 哀しき道化師(ピエロ) 』とは僕自身のことであり、チームを率いるすべての人のことで、今もなお、ホントのことは誰にも言わず、クライアントに対しても、部下やメンバーに対しても道化を演じている最中なのではないでしょうか。

ユーモアを忘れない

それともう一つ。道化師の中にはジョークを言う役割の道化師も居ます。世間ではそれを ❝ ジョーカー(ジョークを言う人) ❞ と呼んでいます。そう、あのトランプのジョーカー。KingやQueenと共にClownが描かれているのはそのためです。

制作や開発現場では、殺伐とした雰囲気になることも少なくないので、ユーモアを大切にするという意味でジョーカーの役割は重要だろうと考えています。

ジョーカーはオールマイティに立ち回れるし、本音を語る上でジョークが打ち消してくれることもあるので、コミュニケーションやチーム運営を円滑にしてくれる存在という意味でも、僕自身が道化師なのかもしれない。

道化師って言葉が、現在置かれている立場や状況を端的に表現してるなぁと思ってブログをはじめるにあたってタイトルに選びました。

あまり技術的なことは書かないと思いますけど、誰かの何かの役に立てると嬉しく思います。

哀しき道化師(ピエロ)

というお話でした。